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2005年08月02日

半島を出よ(2)

福岡ドームは高麗遠征軍に占拠され、福岡は高麗遠征軍と共に日本から独立すると言う発表を記者会見で行います。この発表は政府を動揺させ、厳密にはまだ動揺のみを起こさせている部分までしか読んでいません。敵性判断をするとも友好判断をするともなく会議は空転(というか停滞)しています。

占拠・独立ネタとしてはなつかしの「沈黙の艦隊」が思い出されます。これは海自のある部隊(だったかな?)が日米合同で作った最新鋭原潜を占拠し「独立国家やまと」として日本から独立を宣言する部分から話が展開します(もう10年以上前に読んだ記憶だけですので詳細は間違ってるかもしれません。そういえば当時、深夜放送で「独立国家やまと」に関する討論番組をやってましたね。枡添要一さんが出ていた記憶だけあります)。

「半島を出よ」と「沈黙の艦隊」を比べた場合、心情的には「沈黙の艦隊」の方が痛快ではあります。これは日本の国土が占拠されたわけではないという、そのもの心情的な理由です。現実的な問題として考えた場合、単に構成員が全て日本人であるという理由で「独立国家やまと」の方が「高麗遠征軍によって独立した福岡」より平和的であるかと言うことは議論はできません。「独立国家やまと」は原子力潜水艦であり、核武装をしているかもしれないという懸念材料があります。また、こういった独立行為を日本人が行ってしまったという当事者としての問題意識もあります。

日本人によるクーデターと言う意味では「亡国のイージス」も同様な話でありそうです。久々に 梅田さん とこを見たら 面白いエントリー がありました。ここで紹介されていた michikaifuさん の、このエントリー です。ちょっと引用すると、

ストーリーの中で今でも一つだけ納得のいかない部分がある。私は原作の小説も読んでいるが、その原作からも引きずっている弱み、それは、テロリストと組んで反乱を起こす副艦長(小説では艦長)とその腹心の部下の「動機」である。副艦長には、「息子を日本政府に殺された」という恨みもあり、「この国は、オレたちともども、一度滅びるほうがいいんだ」といったセリフを吐き、特に小説では細かく心情の説明もあるのだが、どう説明されても、祖国を裏切り、これほどの大犯罪を起こし、自分の半生を捧げてきた信条と組織を踏みにじり、信頼してきた同僚さえもそのために殺戮するという行為の動機として、十分大きいとは私にはどうしても思えないのだ。
この文を読んだときに思い出したのが「劇場版パトレイバー2」でした。

「劇場版パトレイバー2」では独立と言ったような行為は行われません。状況としては、劇中に後藤隊長が榊さんに対して言っている部分を引用します。

そりゃまあ、不平や不満はあるでしょうけど、今この国で反乱をおこさなきゃならん理由が、たとえ一部であれ、自衛隊の中であると思いますか?しかもこれだけの行動を起こしておきながら、中枢の占拠も政治的要求もなし。そんなクーデターがあるもんですか。政治的要求がでないのは、そんなものがもともと存在しないからだ。情報を中断し混乱させる。それが手段ではなく目的だったんですよ。これはクーデターを偽装したテロに過ぎない。それもある種の思想を実現するための、確信犯の犯行だ。戦争状況を作り出すこと。いや、首都を舞台に戦争という時間を演出すること。犯人の狙いはこの一点にある。犯人を探し出して逮捕する以外に、この状況を終わらせる方法はない。
主人公達が警察であるため、こういった展開になっています。


投稿者 napier : 2005年08月02日 22:58


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コメント

言及していただいたmichikaifuです。ありがとうございます。リンク元をたどってこちらを読ませていただきました。

実は、私こと、「パトレイバー」の後藤隊長の隠れ大ファンです。こんなセリフがあったのは忘れていました(というより、劇場版2は英語吹き替えしか見ていないので・・)が、なんだかとても納得した感じです。さすが、後藤隊長!慧眼です。

投稿者 michikaifu : 2005年08月03日 04:00


コメントありがとうございます。パトレイバーには金言・名言が多いですよね。是非日本語版も見ていただきたいです。
「パラダイス的新鎖国時代」に関してはいろいろと考えていたところで、こんな風にコメントが頂けるとは思ってもいませんでした。続きのエントリーも楽しみにしています。

投稿者 napier : 2005年08月03日 14:23