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2005年12月24日

田原坂

時代劇スペシャル 田原坂 を見ました。1987 年の作品なので、もう 18 年前のものです。1987 年が 18 年前ということに気づいて、ちょっと愕然とします。

この「田原坂」は「翔ぶが如く」が明治維新後の政府を描いている視点とはちょっと異なり、西郷隆盛自身が主人公の作品となっています(西郷さんは西郷吉之助と書かないと雰囲気がでませんね)。ですので時間的には幕末~西南戦争終結・大久保の暗殺までとなります。前半は西郷が島流しにあった部分が描かれており、これはとても新鮮でした。奄美大島で妻をめとったことやそこでの暮らしなど、今までに私が知らなかった西郷像が生き生きと描かれており、この映像作品では前半が非常に印象に残ります。

奄美大島での妻の名は愛加那です。この役は多岐川裕美さんが演じられていますが、とても美しく描かれています。今ちょっと調べてみましたが昭和 26 年生まれだそうで、また衝撃的でした。当時は 36 才です。愛加那について調べてみるとこのページを見つけました(奄美大島の歴史 ~西郷隆盛と奄美)。奄美大島に行きたくなりますねー。「青い鳥」のときもそうでしたが、こういった映像作品を見ると非常にその土地に行ってみたくなります。とくに南は好きです。

中盤は、いわゆる征韓論(遣韓大使派遣)に敗れてから下野、西南戦争にいたる部分が描かれます。廟堂の映像で印象的なのは三条実美です。役者さんの名前は・・・ググってもちょっと出てきませんが、これがはまりすぎです。きっとこんな感じだったんだろうな、と「翔ぶが如く」を読んでいたときに想像していたそのままを映像化された気分でした。

後半の西南戦争に関しては、桐野利秋はあまり前面にはあらわれず、淡々と時間だけがたっていった印象を受けます。ここにはあまり力が入れられてはいないようです。武器弾薬の差や輜重に関してもほとんど描かれていなかったと思います。最後にこの戦役での死者は~、と簡単にまとめられてしまっていました。これにつられて山形有朋や川路利良もあまり表立ってはあらわれません。

「翔ぶが如く」と決定的に違っていたのは大山綱良の描かれ方です。丹波哲郎がその役を演じていたためかとも思いますが、完全に西郷党の番頭的な描かれ方となっています。また、ちょっと違和感があったのが大久保利通です。「その案件は御廟議にはかけられますまい」といった、明治政権初期の舵取りを表に裏に執行していった裏の部分が全く映像にはあらわれてはいませんでした。岩倉具視との関係に関しても言及する部分は無かったと思います。

小説とは異なり、こういった映像作品では美しい映像が見どころになると思います。やはり奄美大島ですね。海と空の青や砂浜とのコントラスト。南国の花々の鮮やかな赤や対比としての森の緑などは非常に印象に残ります。さて、大河ドラマ版も見たいのですが近所のレンタルショップでは発見できませんでした。こんなときは本当にオンデマンドサービスがあればいいなと思いますね。最近では「ニュースサイト+この記事でブログを書く」的なものがありますが、映像のオンデマンドでも同様なサービスって出てこないかな。


投稿者 napier : 2005年12月24日 01:00


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