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2006年03月27日

神はサイコロを振らない(2)

やっと観終りました。FFXII に随分いろいろと止められていたなぁと思います。

このドラマでは成海璃子ちゃんへの期待が大なりだったのですが、あまり活躍する場面もなく慎ましやかに最終話も終わってしまいました。東洋航空 402 便の乗客の全てが主人公であるため、その中の一人という扱いにならざるを得ません。これは仕方がないですね。

以下、ネタバレです。

最終話では結局、402 便の乗員乗客は全て消えてしまいました。そこで感じたのは、「ヒカルの碁」で佐為が消えてしまったときの感情そのものでした。突然、空間にぽっかりと穴があいてしまったような感覚です。このドラマではその時間が厳密に既定されていたため、それに関係する人たちには心の準備をするだけの十分な時間が与えられていましたが、「ヒカルの碁」ではその時間は突然やってきます(若干のフリはありますが)。この部分だけをみると、「ヒカルの碁」の方が衝撃度は強かったと思います。

しかしこのドラマは最初のエントリでも書いたような「時間の流れ」のドラマになっており、その瞬間は予定されて訪れています。「ヒカルの碁」の方は、消えてからが心の整理の時間になっている分、物語としてはそれはある意味で始まりになっています。意外とここには、共通しているテーマが存在しているんだろうな、と感じました。あと、エピローグ的な部分は完全に「スペーストラベラーズ」と一緒ですね。

さて、このドラマで一番興味深かったのは以下のセリフです。

黛:約束って何ですか?
加藤教授:402 便に関する資料を見せてもらう代わりに、乗員乗客は再び消えるという説を、撤回する記事を出すように言われたんだよ。
黛:は?
加藤教授:どいつもこいつも交換条件を出すのが好きだねぇ。
黛:ちょっと待ってください??撤回する記事を出すってことは「乗員乗客は再び消えるってのは、嘘だよ~」と・・・
加藤教授:流石にバカオンナ、文才がないねぇ。
黛:でもそうゆうことでしょ?
甲斐:捏造するんですよね。
加藤教授:おいおい、捏造って言うなよ。
甲斐:ご自分の理論を捻じ曲げて、世間に発表するんでしょ。
黛:みなさんあの記事見てるんですよ。それをいまさら・・・。
加藤教授:また各自勝手に受け止めればいいさ。10 年前、自説を発表した際、とんでもない説だと言われ、私は誰にも相手にされなかったんだよ。今さら世間に何をどう発表しどう思われようが、私には関係ない。どうでもいいことだ。
黛:・・・ 402 便に関する資料をみてどうなさるおつもりですか。
加藤教授:私の理論をより詳細な論文に仕上げるんだよ。
黛:仕上がった論文どうするんですか?
加藤教授:大事にとっとく。誰にも見せない。
黛:あなたは・・・。10 年前、あなたの説を誰も相手にしなかったのは、あなたの説がとんでもなかったんじゃなくて、あなた自身がとんでもなかったんじゃないんですか。
加藤教授:は?
黛:あなたがとんでもなかったから誰も相手にしなかったのよ。
加藤教授:・・・・・・そうなの?
甲斐:・・・いや、それは・・・、
黛:私も反対です。この記事でどれだけの人が傷ついたと思ってるんですか。それを今さら「嘘ですよ」ってなんですかそれ。何様のつもり?もうこれ以上人の人生を弄ぶような行為はしないで下さい!
加藤教授:私はただ交換条件を!
黛:そんなくだらない交換条件を受けている暇があったらどうやったら消えないか研究しろ!
加藤教授:それは理論上ではぜっ%&R&T(’()=
黛:理論はもういいーーー!私は!・・・私は、今後一切、あなたとは感情論でしか話しません。・・・もうあなたなんか嫌いっ。
加藤教授:っえ?
黛:大っ嫌いっ。

ベクトルが違うだけで同じなんですよね、、、この二人。

と、それはおいておいて、残念ながら期待したほど面白いドラマではありませんでした。やっぱりドラマでは理論系で面白いものはなかなかできませんね。結局は感情です。この加藤教授も人当たりが「ロング・ラブレター ~漂流教室~」の我猛翠ちゃんと同じならまた違ったのでしょうが(ちなみに我猛役は鈴木えみさんです)。


投稿者 napier : 2006年03月27日 22:30


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