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2008年01月07日

アルケミスト

  • アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫)
    パウロ コエーリョ 著
    山川 紘矢, 山川 亜希子 翻訳

読み終わった瞬間に感じたことは、自分の本の読み方と友達のそれとの違いです。自分の場合は「これをしたらいけない、あれをしたらいけない」といったマイナス方向の指標としてそれを読むのに対し、友達は「これをしたらいい、あれをしたらいい」といったプラスの部分を読み出します。

そしてもうひとつが自分の場合には「この部分はあの本と似ている、あの部分はその本で言及されているよね」といった相関を必ず考えてしまうのに対し、友達はその点に関しては何も言いません。注目しているのは、常に読んだこの本、に関してだけです。

この休みは「自分の話はよく飛ぶ」ということを再認識させる期間でした。起承転結を例に取れは、起転転転・・・といったところです。よくよく見てみればそれらの「転」は関連のあるものたちなのですが、「結」の説明が無いために独立した話が延々と飛んでいきます。スタックが破壊された実行コードのように。

ここで書いた「山月記」にしても、まさしく飲んだときの自分は虎だなぁ、と思い至ります。

酔わねばならぬ時が、(虎に還らねばならぬ時が)
山月記 中島敦

と書かれている部分に初めて戦慄を覚えました。

アルケミストで語られる内容で、重要な要素として「前兆」があります。自分はこの本を読むための前兆にしたがって、きっと山月記を思い出し、そしてアルケミストにたどりつく話を導いたのだと思います。今日この本を読めたことをきっと忘れないでしょう。


投稿者 napier : 2008年01月07日 23:27


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