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2009年09月20日

妄想姉妹 〜文學という名のもとに〜

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古い洋館に住む美しき3姉妹。
亡き父を思い偲ぶかのように過ごす彼女らのもとにある日手紙が届く。
それは20年前に謎の死を遂げた亡き父からの手紙であった!
その内容は、「20年後の娘たちへ。これが私の秘密。私の愛」と。
そして、その手紙には、鍵が入っていた。その鍵は、書斎の金庫を開ける鍵だった。
その中には、11冊の本が。彼女達は、1冊ずつ読んでいくことを約束しあう。
自分の名前を同じ登場人物に重ね合わせながら繰り広げられる「妄想」の世界。
父親が遺したこの本にこそ、それぞれの母親の謎を解き明かし、
自分の母親が一番、父親に愛されていたことを証明する真実が込められていると信じて。

紺野まひるさんを検索していて、ふと、このドラマの情報を見つけました。文学絡みの深夜放送としてはかつて CX で深夜に放送されていた「文學ト云フ事」を思い出します。このドラマを見つけて 1 ヶ月くらい、まとまった時間が取れず見られずじまいだったのですが、この連休を使って全話視聴することができました。

第一話与謝野晶子みだれ髪
第二話夏目漱石虞美人草
第三話堀辰雄風立ちぬ
第四話泉鏡花外科室
第五話高村光太郎智恵子抄
第六話坂口安吾白痴
第七話江戸川乱歩お勢登場
第八話太宰治女生徒
第九話樋口一葉にごりえ
第十話芥川龍之介藪の中
第十一話夢野久作
市川草太郎
瓶詰地獄
「白女」

文学を扱ったドラマであるため、非常に凝った構成になっています。各話それぞれ異なった文学作品が紹介され、それが背景にある大きな物語をあらわすパーツとして扱われています。

最近、本をとてもよく読んでいる知人が紹介してくれた作品に夢野久作の「瓶詰地獄」あり、このドラマの最終話で扱われる作品も「瓶詰地獄」であったことから、非常に興味をそそられるドラマともなりました。

先入観無く第一話から観始めましたが、読んだことのある作品はほんの数話分だけでした(^^; やはり自分はあまり本を読んでいなかったんだ、と感じさせられた瞬間です。その知人はほぼ読んだことがあるんだろうな、とも。物語上、三女の市川節子がその物語のさわりを簡単に語ってくれますが、こういう物語の進め方が自分は好きなんだろうな、と再認識しましたね。うる星やつらのしのぶの語り部的な役回りです。

序盤は単に深夜放送というコンテキストで続いていくのかと思わせておきながら、中盤~終盤にかけてはミステリー的な要素もあいまって、最終話においては「こう来るか!」という見事な作品に昇華されています。こう持っていこうと考えておきながら時間帯のコンテキストを忘れないのはさすが、というところでしょうね。

登場する女優は、長女:市川晶子に吉瀬美智子さん、次女:市川藤尾に紺野まひるさん、三女:市川節子に高橋真唯さんです。高橋真唯さんはアミューズなんですね。クロサギにも出ていたようで、意外と見ていそうです。このドラマで要チェックになりました。


投稿者 napier : 2009年09月20日 22:48


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