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2010年03月14日
砂の女
第四間氷期に引き続き、阿部公房です。
- 己のやりたいことを出来ているうちはいいが、知らず知らず望まないことを外圧により強制される。真綿の圧力もあれば理不尽の強制もある。
- その圧力に比例する形での反発もあれば、その力に絡め取られてしまうこともある。
- 砂は風の力によってその形を変え、実体としての個は1/8m.m.としてそこにあるが総体としての永続はそこに存在しない。変化することがその存在そのものと言える。
- 視点/立場を変えると、仏教の色砂で描く砂曼荼羅の修行に通じるかもしれない (完成した曼荼羅はその瞬間に砂へと戻される)。
1 回目に読んでみたときには特に感想がなく、普通の小説だなぁという風にしか思いませんでした。上記は 2 回目の読後感です。これもまた、他の作品を読んだ後に思いかえすためのリファレンスとして。
投稿者 napier : 2010年03月14日 01:09
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