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2005年08月11日
半島を出よ(5)
この小説を読み始めるにあたって、先入観として存在していたのはニュースステーションで紹介されていた、程度のことでした。細かな内容は忘れましたが、それは福岡ドームが北朝鮮の兵士によって占拠されるという内容だったと思います。実際に上巻を読み始め、まず違和感を覚えたのがプロローグ2での「半島を出よ」という作戦の目的です。これに関しては、読み終わった今となっては実際“どうでもよかった”といった程度の感想しかありません。これはキッカケでしかなく、重要なのはこの小説で描かれている日本についてだと思ったからです。
外圧という言葉がありますが、日本は結局、外圧がなければ変化しづらいのかもしれません。福岡ドームが北朝鮮に占拠されようが、中国に占拠されようが、ロシアに占拠されようが、アメリカに占拠されようが、今の日本は結局は同じなんだろうな、と思ったわけです。これはいわゆる「文化の逆輸入」といった現象にも現れていると思います。元々日本のサブカルであったものが海外で評価され、それを受けて国内でもやっと再評価を受けるような。世界が日本ひとつであった場合には緩やかな死を待つだけだったものが。
うすうすとは感じていたことですが、「半島を出よ」に近いメッセージ性を持った作品としては「ぼくらの7日間戦争」「バトルロワイアル」があげられると思います。全くカンタンにまとめてしまうと、クソッたれな大人に対して…、的なものです。そういった意味では戦争やテロや独立といった作品を引き合いに出すのではなく、「ライ麦畑でつかまえて」などを作品の引き合いに出すべきでした。これは実際、最後まで読み終わったために感じることができた感想ではありますが。こういった作品を書いた村上龍が「13歳のハローワーク」を書いていることは最早必然だったと思われます。
私が高校生の頃に小論文を教えてくれた現国の先生がいました。何回か添削をして貰っていろいろと意見を訊いていたことがありますが、今でも覚えているのは「act することが大切だ」というフレーズです。それ以外のことはほとんど覚えていません。前回 引用したヒノのセリフにしてもそうですし、Jobs のスピーチにしてもそうです。
"Stay hungry, stay foolish." -- Steven Paul Jobs
自分の感想がまとまったとは言い切れませんが、そろそろ人の感想を見に web をまわってみることにします。自分の感想をある程度留めておかないと影響されちゃいますのでっ。
投稿者 napier : 2005年08月11日 17:21
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