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2007年05月29日
ヒルベルト ─現代数学の巨峰─
読み終わりました。ヒルベルトの生涯や関わってきた人びと、時代、仕事などに目を向けるのに非常に有益な本です。登場人物には歴史上の数学者や物理学者が多く、知っている人に関しては名前がわかるのですがそれ程知らない人に関してはやはり混乱してしまいますね。ちょっとした系譜があるといいな、と思いました。
不完全性定理でも言及されていましたが、この本を読んでみると改めてゲッティンゲン大学の層の厚さと言うか何と言うか、ある一時代の数学の中心はここだったということがこれでもかというほど伝わってきます。戦後は(戦中からですが)全てアメリカに行ってしまいましたね。
さてこの本を読んで改めて気が付いたことに、自分の中の論理に対する信頼性はかなり強いのかな、というのがあります。これは日々プログラムに触れているため論理的(形式主義的?)な思考をしなければならないのは当然なのですが、それがあまりに直観を排斥しているかも、と思ったからです(勿論プログラムなんかは有限の状態の変遷でしかないので無限は対象ではありませんが)。直観に関してはクロネッカーやブローエルらの感情的ともとれる論争が思い起こされ、それが感情的な問題に思えてきます。
私の場合、極力感情を排してものを考えようと思っていたのですが、最近それはまた違うかな、と思い返してきています。感情的な人と話しをするときに論理を持ち出すのはあまり得策ではない、と思い始めているからかもしれません。ま、これは TPO の問題なんですけどね。
投稿者 napier : 2007年05月29日 23:39
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ヒルベルトの次に読み始めました、しかし、、、とても終る気がしません。副読本のよう... [続きを読む]
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