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2007年10月04日

スカイ・クロラ (2)

読み終わりました。むーん、何か竜頭蛇尾って感じでちょっと期待が勝ち過ぎていたな、と思います。何が期待と違ったかというと、この文章の量ですね。あまりにも淡々としし過ぎており、ひっかかりもなくスルっと終ってしまったという感覚です。

簡単にいうと、この物語に登場する人物には葛藤が感じられない、というところでしょうか。実際、そういった内容なんですが、葛藤がない分、淡々と過ぎる日常だけが描かれており、それに文章の量が少ないことが相まって、この小説で切り取られた時間の中だけでの物語に終始してしまっている。それ以前やそれ以降もあるんでしょうが、それに対して理由があっても無くても別に関係ない、というか。

この小説の主人公であるパイロットの僕は、ひとつの処理系でしかないんですよね。まわりの状況に応じてそれを入力として葛藤の無い自分の中で処理を行い、それを出力する。処理系は決まったことだけをやっていればいいのでそこには理由が存在しません。完全性定理でいうところの方法の完全性というか。

こうやって自分の読み終わった瞬間の感想を書き留めておき、さて、まわりの人の感想を読みに出かけることにします。・・・ただ問題なのが、これってシリーズものなんですよね。あえて人の感想や論評などを読まなかったのに、シリーズモノであるが故の言及まで読んじゃいそうで。難しいところです。


投稿者 napier : 2007年10月04日 01:06


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