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2009年03月19日

卵と壁 - 村上春樹「エルサレム賞」受賞スピーチ

ニュース番組でちょっと見かけて気なっていたものです。未来のいつか/hyoshiokの日記のこのエントリで文藝春秋に載っていることを知り、つい先日やっと読みました。この本には受賞スピーチの日英文以外にも「僕はなぜエルサレムに行ったのか」というインタビュー記事があります。スピーチ文とスピーチに対するブログ記事だけでなく、このエルサレム賞を受賞する(辞退しない)に至った彼の考え方と、なぜ今回のこの行為がこれだけ話題になったのかというコンテキストを理解するためにも、このインタビュー記事もあわせて読むことをおすすめします。

さて、私は最初にスポットニュースでこの話題を知りました。最初のそれは「あえて発言をするために授賞式に行くとは剛毅な人だなぁ」という思いと、(村上作品は「ノルウェイの森」が話題になったときに読もうと思ってモノの数ページで挫折したな・・・その後だいぶ時間をおいてからまた何か読んでみようと思って傑作だという話をどこかで耳にした「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」を読んでみたけどやっぱ合わなかった・・・けど「翻訳夜話2 サリンジャー戦記」は違和感無く読めたよな・・・あ、でも彼の「キャッチャー・イン・ザ・ライ」は読んでないか)、という関連記憶がよみがえってきました。

そんな心象状態で文芸春秋のインタビュー記事からまず読み始めました。読んでいくうちに、彼のコンテキストには昔からこの「卵と壁」という対立構造があるのか、と「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」の内容を思い出すことになります。そういった観点で考えるとこの小説もまた違った面白さを読み取れるものなのか、と妙に納得するのと同時に、ミヒャエル・エンデの「はてしない物語」や「モモ」を思いました。これらに共通するのが「システム」です。

もっと簡単な例だと「十戒石版」ですかね。これは「卵」から「壁」になる面白い話しだと思います。自称「卵」が、いつのまにか周りからは「壁」になっている、という見方は誰にでも適用でき、それはきっと村上春樹さんに対しても成り立ちます。

(正論原理主義とかまで全然いけなそうなんで、また続き(?)で)


投稿者 napier : 2009年03月19日 01:53


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トラックバック時刻: 2009年06月01日 10:15

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