« 2010年04月 | メイン | 2010年06月 »
2010年05月30日
月に囚われた男
- 月に囚(とら)われた男 - オフィシャルサイト
http://moon-otoko.jp/
エネルギー問題解決のため、月からヘリウム3を運搬する事業を手がけるルナ・インダストリーズ社。 月の採掘場は自動化されており、そこには任期3年で一人の人間だけが働いている。 残り2週間となった任期終了を前に、一人しかいなかった月の現場に不思議な出来事が起こる---。
知り合いに紹介されて観てきました。映画のトレイラーですでに違う人間が現れるということを知っていたため、そのアオリがどのように効果を表すものかと思っていましたが、単にその言葉そのものでした。
以下、ネタバレを含みます。
こういった期限もので思い出されるのは、永遠に学園祭前日を繰り返す「うる星やつら2 ビューティフルドリーマー」です。この映画も「永遠に繰り返される 2 週間前」という展開になるかと予想していました。
このような作品を考える場合、次の点で状況を分けることができます。
- 無限ループもの
ビューティフルドリーマーのように時間的な繰り返しがあるが、その繰り返しにおいて自分が他の自分と会うことはない。絶対時間を想定した場合、意識だけがある時点に戻って繰り返し、と言える。エンドレスエイトもこれでしょう。 - パラレルワールドもの
認識として存在する自分と平行な時間軸があり、それらの世界の自分と干渉を行う、もしくは入れ替わることもある。他の世界の自分の記憶を今の世界の自分が持つこともある。この分類では「ひぐらしのなく頃に」はこっちに入ります。 - 時間トリックもの
無限ループやパラレルワールドと思わせておいて、実時間が過ぎているもの。その人や観客を信じ込ませるために、世界の方がある程度の嘘をつく(そう見せる)もの。「Ever17」などがわかりやすいと思います。
今思いついた分類はこんな感じです。この「月に囚われた男」は、3 番目の「時間トリックもの」に分類されます。
2 週間という期限ではビューティフルドリーマーが思い出され、クローンの話では綾波が思い出され、登場人物の少なさをクローンで補間していましたが、密閉された空間、仲間とその空間および状況からの脱出、その状況を作り出す社会背景、という意味では「Cube」でした。
若干、自分の解釈として疑問に残っている部分は、サム(主人公)の見た幻覚の女性です。あれは妻であってるんでしょうかね?日本の映画だと女優さんの顔で劇中に気づくんだと思いますが、洋画ではなかなか初見の方の顔は覚えられません。ビデオレターの内容から考えるに、妻は夫のクローンを使った月現場への現地赴任にはあまり乗り気ではなかった。たぶん人道的な意味と、クローンとはいっても愛する夫であるため、なかなか割り切れるものではなかった。その分の贖罪の念から、自分の死後、彼(クローン)に対して真実を伝えるために姿を見せた、という解釈です。
それ以外では、月から地球に通信をするために木星経由で行う(遠いよ!しかも軌道によっては太陽を挟んで反対じゃん)、クローンを作れる技術や記憶をコピーできる技術があるんなら月開発だけじゃなくてもっと別の産業を興せるだろう、都合のいい AI だな(会社本部に対しての面とサムに対しての面の使い分け)、資材搬出用のロケットで人間が帰還できる、とか「え??」と思わせる部分がたくさんありました。
AI との関係はもうちょっと掘り下げてもいいと思いましたね。彼にとっては劇中の彼はたぶん 5 人目だったのでしょうから(ビデオレターでの娘は多分生まれて少したったくらい、長距離通信した際の年齢は 15 歳)。
と、自分の感想のリファレンスを残して他の方の感想を見てみます。解釈あっているかな。
2010年05月26日
2010年05月25日
英語
今回まじめに英語の勉強をしようと思い立ち、TOEIC 本を買いました。出張中に何気に見つけたブログがきっかけです。
- TOEICテストこれ1冊で全パートをモノにする―500点~860点突破のための解法テク&実戦問題
- TOEIC850点までの8ヵ月強(310.9時間)のまとめ - 青春B■雑記blog‐青酸カリ カラメルシロップ味‐
http://www.aoharu-b.com/cgi/sk/2009/07/toeic85083109.html
まずは手始めとしてリーディングの練習問題だけ終えました。結果は 50/82 で、写真描写問題 15/20、応答問題 16/20、会話問題 12/21、説明文問題 7/21 な内訳でした。会話とか説明文、想像以上に長すぎですよ。これ、日本語であってもパーフェクトは難しいと思います。。結構普段の会話でも聞き流してしまうような内容なので、日常的に注意して聴く、といった訓練も必要になりそうです。
明日早く帰ったらリーディングを続けてやること!
2010年05月21日
円高株安
- asahi.com(朝日新聞社):東証、一時9700円割れ 今年最安値を更新 - ビジネス・経済
http://www.asahi.com/business/update/0521/TKY201005210099.html
おぉ、ギリシャ危機発端の記録をどうしようかと迷って放置していたら数値が動き出したようです。この前のドバイショックの顕著な動きのときはログ取りしており、1ドル84円台、株価9100円台だったようですね。今回もまだもうちょっと動くかな。
現時点は1ドル89円01銭、株価は一時9700円を割り込んだくらいですね。
2010年05月17日
2010年05月16日
iPad
サンデーモーニングの「風をよむ」で iPad が取り上げられていました。意外と冷静なとらえられ方で、「本」というもの自体とその内容を分けてそれぞれの人がコメントをしていました。情報としての本の役割は「書いてある内容、その内容に達するまでの著者や編集者、その本の制作にかかわった人々の仕事がすべて詰まっているということ」、存在としての役割は「本というデバイスそのもの。本の匂いであったりそばに積み上げられている状態、物理的に見える本の厚さであったり個体としての量。ページをめくる感覚や時間が経って古くなっていく過程自身」などなど。 Kindle が日本でも購入できるようになったときや、それ以外の電子書籍デバイスが発売されたとき、今回の盛り上がりはそれらと比べられないほどの強さを持っています。
面白かったのはこの iPad の電子書籍としての面を強調しているにもかかわらず iBooks に関しての説明が無かったこと。日本の出版事情の説明はあったものの、その次に来るだろう電子化に対する説明は皆無。そうとらえると特に iPad だけでなく電子書籍そのものの特集であっても問題が無かったように感じます。電子書籍としての iPad の立場は単にたくさんあるアプリケーションのひとつ、でしかないわけですから。
こういった電子化でいろんな人たちが危惧することに「編集者を通さすに本ができるため、粗製濫造がはびこる」といったコメントです。これに関しては今に始まったことではなく、Web が広まった段階ですでにその時代を迎えていました。個人サイトや個人のブログなどはまさしくそれそのものです。 Google はその情報をまとめることの重要性を知り、Web site を「情報」という「本の内容」であるとすると「事後の編集者」になった、とも言えます。 Apple のやっていることは「事前編集」ですね。 iTunes Store に登録するまでに審査があり、その審査を通ったものだけが「流通」をします。審査のプロセスはそれ自体「著者と編集者」のやりとりそのものでしょう。
何にせよこういったデバイスが盛り上がりを見せるのは嬉しいことです。しかし製品を作る/売るだけでなく、出版と言うものの新しいエコシステムを作ることが重要なステップでしょう。 Apple は「iTunes Store + 個々のデバイス/ソフトウェア(iPod, iPhone, iPad, iTunes, etc...)」というシステムを作り上げています。規模の大小は分かりませんが、Amazon は「Amazon + 個々のデバイス/ソフトウェア(Kindle, KindleDX, Kindle for PC, etc...)」。日本の出版界ではどのような新しいシステムを作りあげるのか、現在の「出版社-取次-書店」の構造をどのように変えるのか、が問題でしょうね。