2011年08月18日
官僚の責任
- 官僚の責任 (PHP新書)
古賀 茂明 (著)
PHP研究所 (2011/7/16)
ISBN-10: 4569798055
話題の官僚、古賀茂明さんの著書です。
- 古賀茂明 (kogashigeaki) : Twitter
http://twitter.com/#!/kogashigeaki - 古賀茂明 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%A4%E8%B3%80%E8%8C%82%E6%98%8E
この書籍を読むに至った経緯は Life is beautiful のこのエントリからの流れです。
- Life is beautiful: 菅首相はなぜ色々と重要なことをとうとつに発表するのか?
http://satoshi.blogs.com/life/2011/07/othello.html - 「東電批判したら経産省から圧力」渦中の古賀茂明氏『日本中枢を再生させる勉強会』講演テキスト起こし - ガジェット通信
http://getnews.jp/archives/128516 - 現職経産官僚が緊急提言 古賀茂明「東電破綻処理と日本の電力産業の再生のシナリオ」 | 経済の死角 | 現代ビジネス [講談社]
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/4128
東日本大震災から福島第一原子力発電所事故、そして補償問題。これらに関してはリンク先を読んで頂くとして、この本を読むと官僚組織の意識の根底には日本の伝統的な「家」という観念が横たわっているように感じます。この「家」は「天下りポスト」であり、霞ヶ関的に「天下りポスト」が無くなることは、かつての大名家における「御家断絶」を意味するように感じられました。
ちょっと長いですが引用すると、
が、その結果、新たな団体が生まれたことで、そこへ理事長として一人、事務局長として一人を通産省から送り込むことが可能になった。典型的な天下りポストが誕生したわけだ。
その後、私が商務情報政策局の取引信用課長として、こうした事業を担当することになったときにはすでに、事業は安定してまわっており、かつ流動化の仕組みも市場での理解が進んでいた。だから、私はこういう提案をしてみた。
「もう、いちいち経産相が審査しなくても民間でできるでしょう。リースとクレジット以外の資産流動化にはこんな規制はない。もう規制をはずしてもいいのではないですか?」
しかし、規制撤廃は容易には進まなかった。
むろん、規制を撤廃しても差し支えないということ、それによって取引が活性化し、業界ひいては金融業会にとってプラス効果が大きいことは、みんなわかっている。けれども、現実に経産省の所管団体が存在し、そこに天下りしている省のOBが二人いる。もし法律を廃止して規制をなくせばどうなるか──審査を行っていた団体も不要になってしまう。
「そうなったらOBが職を失ってしまうではないか」
規制撤廃が遅々として進まなかったのは、大勢がそういう考えだったからだ。
そもそも、官僚の世界では先輩に不利益になることを言い出すこと自体がタブーなのだ。
「なんて冷たいやつなんだ」
そう思われるのである。
このケースでは、何度も担当局長を説得した結果、最終的には私の理屈が通り、規制は撤廃されることになったのだが、最後に局長が言った言葉を私はいまだに忘れられない。
「ぼくはほんとうに寂しいよ……」
局長はそう言った。規制が緩和もしくは撤廃される際は、世論や外国からの圧力を受け、「もはや、やむなし」と政治家が判断して手をつけるというパターンが通常だ。しかし、担当課長は最後までそれに抵抗する。はっきり言えば、天下り先が減るからだ。それが霞が関の常識なのである。p114~p115
時代劇が好きな人にはこの感覚がわかって貰えるのではないかと思います。 また、「信長の野望」的なシステムで「官僚の野望」といったゲームまでできてしまうんではないかと、想像は膨らみます。
2010年12月28日
もしドラ読了
話題の「もしドラ」、読んでみました。
ページ数的にはそれ程多くなく数時間あれば読み終わると思います。話自体は小説の形をしており、話題になっていると言うことと特集された雑誌を読んだことがある程度の認識はあったので、ところどころのキーワードには「これのことか~」と、若干ネタ晴らしをされた感覚で読み進めました。
この本が今日の日本で受けている理由の一つには「時間の無さ」もあるのでしょうね。結果を導き出すためのクリティカルパスになりうるのではないかと言う期待。そして、日本の文化的背景に根ざした小説であったということ。
この本の要素として挙げられるのは、
- ドラッカー
- マネジメント
- 萌え絵
- 女子高生
- 女子マネージャ
- 高校野球
- 成長の物語
- ライトノベル
が主要なところです。
この中で最近のトレンドは萌え絵、ライトノベル。日本に根ざしている文化は高校野球。女子マネージャ、女子高生はそこから必然的に連想されます。成長の物語は、少年漫画では主要なテーマです。そしてそれらに結び付けられるドラッカーとマネジメントというイレギュラーな要素。だがそれは社会人が避けて通れない問題に対する道標となる内容であり、そして権威としての実績が担保されている。
単に小説の内容を考えるとプレイボールを強く思い起こさせます。
この物語もチームのメンバー自身が自分たちでチームを改革して行った内容だったと思いました。違いは、ドラッカー・マネジメントといった権威付けです。DS の初期に流行した「脳トレ」に川島教授の権威付けがあったことは卑近な例でしょう。
さて物語として読むとそのままラノベですが、やはりこれをきっかけにドラッカーに注目をしてしまいますね。「もしドラ」のブームで知ったドラッカーですが、自分が所属する組織の中にこれを生かせないかと考えてしまいます。制度としては自己目標管理なども存在していますが、この「もしドラ」を読む前と読んだ後とではそれに向き合う意識が変ります。そのことに自分だけで思い至れ、というのはやはり難しく、組織としても制度だけを形骸化させること無く、そしてそれぞれの人にそれを伝えることを怠ってはならない、と感じさせられる本でした。
2010年09月08日
ウェブで学ぶ
「グローバルウェブ」や「ローカル性」「グローバル性」など、何を意図しているのかよく分からない単語が並んでおり、非常にティザーエントリとなっています。釣られた感がありますが電子教科書などが取りざたされる昨今、抑えておいきたい書籍であると感じてしまいます。教育関連の章や節が見える割には pod cast は単語として表れていなかったり、このことに関しても興味を惹かれますね。
明日はパラパラっと立ち読みしてみようと思います。
2010年09月01日
New Kindle (4)
ついに kindle が到着しました!もう最初から何をやったらいいのかがわかりません(笑) なので、当初の目的であった青空文庫を pdf にして取り込んでみることころから始めました。
- 青空文庫 Aozora Bunko
http://www.aozora.gr.jp/ - 青空キンドル
http://a2k.aill.org/
青空文庫の pdf 化はこの「青空キンドル」というサイトでできます。素晴らしいサイトです。で、出来上がった pdf を kindle に転送しなければならないのですが、この方法を全く知りませんでした。いろいろと検索してみると pdf をメールで送って、、とか、なんか面倒な説明をしているサイトがあります。
出たとこ勝負、ということで PC にまずつなげてみます。・・・ちゃんとストレージとして見えているじゃないですか。documents というフォルダがあったのでそこに pdf をコピーしてみると、しっかり kindle で認識されました(^^)
これでプリントアウトしてから読むと言う苦労から開放されます。あとは物理本の積読を消費して、はやくこっちに来なければ。
2010年08月29日
2010年08月26日
New Kindle (2)
- 「新型Kindle、過去最高のペースで売れている」とAmazon - ITmedia News
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1008/26/news030.html
非常に好調な売り上げのようです。しかし、私の Kindle はまだ発送されません。。待ち遠しい。
そこで実際の Kindle のサイズを知らなかったこともあり、どれくらいの大きさ/重さなのかを身の回りのもので考えてみることにしました。回りを眺めてみて一番フィットした大きさのデバイスが、今使っている電子辞書 PW-S7200 です。
この PW-S7200 は幅120mm×奥行90mm で、開いたときの大きさが 120mm×180mm になります。New Kindle が 122mm×190mm ですので、ほぼ縦に 1cm 大きくしたくらいの面積と同じになります。これはわかりやすい。
PW-S7200 を開いて持ってみると、慣れないせいかこれでも大きく感じます。電子辞書みたいにたためると便利だと思いますが、表示領域のことを考えるとなかなか難しそうですね。実物が待ち遠しい~。
2010年08月07日
シャープの電子書籍端末
- シャープの電子書籍端末、3D対応を検討 10月末にも発売 - ITmedia News
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1008/04/news029.html
同社が商品化する3次元(3D)対応の液晶パネルを採用し、立体映像を楽しめるように検討する。(中略) 電子書籍の枠組みを超えた「万能端末」的な機器を目指し、電子書籍端末で中心的な役割を果たすコンテンツの配信まで手がけることで、新しいビジネスモデルの確立を狙う。
これ、いくらくらいで商品化するんでしょうね。 iPad はiPod, iPod Touch そして iPhone と言ったバックグラウンドがあったために 5 万円という価格でも売れました。もちろん iTunes Store のおかげです。全くバックグラウンドのない新しいプラットフォームとしては頭が痛いところでしょう。
これについてはかつて発売された携帯ゲーム機が参考になると思います。そう考えると 2 万円台でないとつらいでしょうね。デフォルトでどれだけのアプリケーション/サービスを揃えられるか。それもあっていろんなところと話を進めているのでしょう。
「万能端末」などと言ってしまっている段階でほぼフラグがたった状態ですね、うーむ。。最初は AQUOS と連携して録画した映像が見られる、とかが当たり障り無い気がします。成功してもらいたいのですが。。
New Kindle
これは速い!想像していたよりもずっと高速になっているようです。
そして私もついに注文してしまいましたw 到着が待ち遠しいのですが、いつ出荷されるかに関してはいろいろと憶測が飛び交っている段階です。現時点で、
Delivery Estimate: October 6, 2010 - October 8, 2010
と表示されているので、気長に待つことにします。
以下は e-book reader の一覧表です。こんなにいろんな種類があるとは知りませんでした。
- MobileRead Wiki - E-book Reader Matrix
http://wiki.mobileread.com/wiki/E-book_Reader_Matrix