2006年04月20日

Linux を取り巻く雰囲気(2)

グラフィックドライバに関する問題です。GPL 至上主義な人たちにとっては問題なのでしょう。利用者にとってみればどっちでもいいことで、この GPL 至上主義者と利用者の意識の差が今日の PC-UNIX の一般的な普及を阻む根本的な問題の一つとなっていると思います。

以前、DoGA の上映会でかまたゆたかさんがこんなことを言っていました。「投稿作品の傾向を見ていると、初期の投稿作品は理系の人のみであり、それは 『パソコンが使える人 == 理系の人』 の時代のものでした。それがだんだんと文型の人が作品を作るようになり、単に 3DCG だったものが物語性を帯びてくるようになりました。そして最近では芸術系の作品まで応募されるようになり、CG アニメーションというものの裾野がこんなに広がったんだと実感しています。」 私が思うに、未だに PC-UNIX の世界は理系の世界です。

GPL の理想を考えると、それはそれでもう仕方の無いものなのかもしれません。ソースコードの改変は自由。誰でも求めればソースコードが得られる。これって理系の人、というかソフトウェアプログラマの理想なんですよね。決して文系の人や芸術系の人が求めている内容ではありません。こういった人たちはソースコードを自由に読めたり改変したりすることよりも、出来上がったソフトウェアによって何かをつくりあげる、そのためにソフトウェアを使う、ということを欲している人たちです。別に GPL によって作り上げられたソフトウェアを使いたいわけではなく、道具は道具として使いたいだけなのです。

最近よく思うことは「Linux などの PC-UNIX の大半って、結局は同人ソフトなんだよね」ということです。同人ソフトに対する一般の人の接し方を思うと、これはこれで当然の結果だとも思ってしまいます。


投稿者 napier : 13:20 | トラックバック


2006年04月19日

Linux を取り巻く雰囲気

コメントをつらつらと読んでみていますが、これが今の Linux を取り巻く普通の感想なんだろうな、と思いますし、きっと今後 10 年経っても変わっていないだろうとも思います。大体の言及はコメントの中にあるのでここではネガティブなことは書かないでおきますが、やはり Windows と Linux は完全に層として分かれていると思います。UNIX として一般受けが期待が出来るとしたらやはり Mac になるんでしょうかね。

最近はデバッガとして insight を使うようになったのですが、デバッグ中に insight 自身が segmentation fault で落ちることが多々あります。なんてゆーか、ありえないんですよね、こうゆうことって。こういった点ひとつをとっても大分 Windows の後塵を拝しているな、と感じざるを得ませんし、まぁこれは Linux の問題ではなくて Linux を取り巻く環境の問題なんですけれども。


投稿者 napier : 23:17 | トラックバック


2006年04月04日

出だしが一番たいへん

penpen01.jpg

とりあえず備忘録的に。

Linux は shell から上を使う分には変化はそうない感じですが、kernel 界隈は version 毎に互換性がなかったり関数が減ったり増えたりと、とても変化が激しいようです。また web 上の資料も version 2.0, 2.2, 2.4, 2.6 とそれぞれの情報が混在混線しており、とてもまとまっているとは言えません。こういったことを書くと OSS 原理主義世界の人たちからは「それならあなたの力で・・・」的な、利用するという目的とはかけ離れた本末転倒な方向に話が進みそうなので、こういった話もあまり出ないのかなぁ、という気がしています。

なんとなくですが、Linux などの UNIX 世界では、いろんなことを知っていて当たり前、的な気分がとても濃いように感じます。思想的には CUI と GUI のような感じですね。CUI などのターミナル環境が前提な場合、プログラムやコマンド名などを知らなければ使うことが出来ません。これには最近、グローバル変数文化だな、という感想を持っています。自分の知らないところで突然グローバル変数を宣言されている感じですね。知らなくて当たり前だが存在している、というものです。逆に GUI は見えるものが操作できるものですから、とてもオブジェクト的な世界に見えます。

さて、ドライバ関連で資料を探しているときに、以下のドキュメントを見つけました。

私は Linux よりは Windows のドライバの方が詳しいのですが、最終ページの○×表を見ると、このドキュメントが書かれてから 5 年たっても世界って変わらないもんだなぁ、と思います。慣れの問題もあるのでしょうが Windbg と kgdb の導入を考えた場合、その労力の差にはため息しか出ません。はぁ…。


投稿者 napier : 16:38 | トラックバック


2006年03月31日

Linux 復帰

突然(でもないんですが) Linux を触らなければならない事情になってしまい、数年ぶりに Linux のインストールと、ついでに Cygwin 環境も整えてみました。

最近は Linux に関して、ウェブ進化論 を読んで以降「Google と Linux のディストリビュータって同じ種類の仕事だな」と思うようになりました。

Google は web 世界の玉石混淆問題に対して、ページ抽出と整理を行っている立場といえますが、Linux ディストリビュータも同様に Linux で使用可能なソフトウェアの抽出と整理を行っているといえます。世の中に多数存在する独立したソフトウェアをまとめて有用なパッケージにすることは原理的には個人でも可能ですが、とてもコスト(リソース)がかかります。目的が Linux を使うことである以上、こういったパッケージがまとめられているに越したことはありません。ディストリビューションが存在しなかった場合の Linux の導入に関して考えると、かなりぞっとします。といっても、初期はやはりそうでしたし SLS や Slackware など、 はしりのディストリビュータ、ディストリビューションという考え方には感心させられます。

しかし、このディストリビューション乱立の世界はなんとかして欲しいものです。外食で例えると Windows は日本的オーダーで注文が可能なフランチャイズチェーン店のような感じですが、Linux は欧米式オーダーをしなければならない個人経営店のような感じです。Windows ではもうメニューが決まっていて「これを下さい」である程度まとまったものを食べることが出来ます。しかし Linux においては料理方法を細かく注文しなければならなかったり、自分で旬の素材を知っていなければならなかったり、客であるのに自分で料理をしたり、はては原料の供給をしたり・・・と、目的を達成するための副次的行為がとても多くなります。この辺はひとまわり経ってもあまり変わってないですねぇ。

今回やらなければならないのはドライバの開発なのですが、デバッグ方法に関して資料を探すだけで骨が折れます。ちょっと情報を見つけても「printk() で・・・」とかって、目を疑うくらい進化していなような情報もあります。…早く最近の情報を見つけなければ。


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